私たちの健康は、体の内側、特に「腸内環境」と深く関わっています。腸は食べたものを消化・吸収するだけでなく、免疫機能やホルモンの調整、精神的なバランスにも影響を与える“第二の脳”とも呼ばれる重要な臓器です。腸内環境を整えることは、病気を予防し、日々の活力を保つうえでも欠かせないポイントです。
◆ 腸内細菌の働きとバランス
腸内にはおよそ100兆個以上の細菌が存在し、これらは「腸内フローラ」と呼ばれるコミュニティを形成しています。主に「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3つに分かれ、善玉菌を優位に保つことが健康維持の鍵となります。善玉菌はビタミン合成や免疫調整、悪玉菌の増殖抑制などの役割を担っています。腸内環境の悪化は、便秘や下痢、肌荒れ、疲労感、アレルギー症状などさまざまな不調を引き起こすとされています(丸山ら, 2019)。また、腸内環境の乱れが肥満、糖尿病、うつ症状などとも関係しているという研究も増えてきています(Turnbaugh et al., 2006)。
◆ 腸内環境を整えるための3つのポイント
① 発酵食品を取り入れる
ヨーグルト、納豆、キムチ、味噌などの発酵食品には乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が豊富に含まれており、腸内のバランスを整える働きがあります。継続的に摂取することが大切で、毎日の食事に1品でも取り入れる習慣が効果的です。
② 食物繊維をしっかり摂る
野菜・果物・海藻・きのこ・全粒穀物などに含まれる食物繊維は、腸の動きを促し、善玉菌のエサにもなります。特に「水溶性食物繊維」は発酵しやすく、腸内細菌のバランスを良好に保つ働きがあります(Slavin, 2013)。
③ ストレスや睡眠の見直し
腸は自律神経と密接に関係しており、強いストレスや睡眠不足は腸内環境を悪化させる要因となります。毎日のリラックス時間を持つことや、規則正しい生活習慣を心がけることも、腸を元気に保つためには欠かせません。
◆ 医療機関としてのサポート
当院では、便秘やお腹の張りなどの症状でお困りの方に対し、食事や生活習慣の見直しを含めた腸活サポートを行っております。外来スタッフが一人ひとりのお悩みに寄り添いながら、無理なく取り組める方法をご提案します。
腸内環境を整えることは、単にお腹の調子を良くするだけでなく、全身の健康を底上げする第一歩です。まずは、今日の食事から小さな一歩を始めてみませんか?体の内側から元気になれる“腸活習慣”、一緒に始めていきましょう。
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