寒い季節になると、糖尿病の方は血糖値の変動に注意が必要です。寒さが血糖値に与える影響と、そのコントロール方法について考察します。
寒さが血糖値に与える影響
寒冷環境では交感神経が活性化し、アドレナリンやコルチゾールといったホルモンが分泌されます。これらのホルモンは血糖値を上昇させる作用を持つため、糖尿病の方は血糖コントロールが難しくなることがあります(ADA, 2021)。また、寒さにより運動量が減ると、インスリン感受性が低下し血糖値が上がりやすくなります。
血糖コントロールのポイント
適度な運動を継続
寒さによる運動不足を防ぐため、室内でのストレッチや軽い筋トレを取り入れましょう。ウォーキングなどの有酸素運動も血糖値の安定に役立ちます(Colberg et al., 2016)。
温かい食事と低GI食品を選ぶ
寒い時期は鍋料理やスープなど、血糖値が急上昇しにくい食事を選ぶことが重要です。また、低GI食品を活用し、血糖値の急激な変動を防ぎましょう(Jenkins et al., 1981)。
体を冷やさない工夫
寒冷ストレスを減らすため、適切な防寒対策を行いましょう。特に足先や手先が冷えると血流が悪くなり、インスリンの効果が低下する可能性があります(Fujimoto et al., 2019)。
血糖値をこまめにチェック
気温の変化による血糖値の変動を把握するため、自己血糖測定を活用しましょう。特にインスリン治療中の方は低血糖にも注意が必要です(ADA, 2021)。
寒い季節は血糖コントロールが難しくなりますが、適切な対策を取ることで安定した管理が可能です。日々の生活習慣を工夫し、健康的な冬を過ごしましょう。
参考文献
American Diabetes Association. (2021). Diabetes Care Guidelines.
Colberg, S. R., et al. (2016). Exercise and Type 2 Diabetes. Diabetes Care.
Jenkins, D. J., et al. (1981). Glycemic index of foods: a physiological basis for carbohydrate exchange. The American Journal of Clinical Nutrition.
Fujimoto, S., et al. (2019). Effects of cold exposure on glucose metabolism in humans. Journal of Endocrinology.
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